看護の礎

10月21

看護師や看護学生にとって、あまりにも大きな名前があります。それはフローレンス・ナイチンゲール。看護の世界に進みたいと考えている人以外でも、その名を耳にしたことがあるのではないかと思います。
彼女が登場する以前は、看護師(当時は看護婦と呼ばれていました)は病院おつきの召使という立場であり、さほど学問ができなくても特別な訓練を受けなくてもなることができる仕事でした。
仕事の内容が内容なので、裕福で無い家庭の人が、他に仕事も無いため就く職業だったのです。現在から考えるととてもありえない状況ですね。
1854年にフランスやオスマン帝国の連合軍と帝政ロシアの間で行われたクリミア戦争において、看護婦として従軍したナイチンゲールは、負傷兵の悲惨な状況や極めて不衛生な兵舎病院の状況を見て立ち上がり、看護婦の干渉を嫌う軍医の隙をついて、なんとか病院に入り込みました。
さらには、協力な味方が登場します。それは、当時のイギリス女王、ヴィクトリアでした。彼女は、ナイチンゲールからの報告を、余人を介さず直接自分に届くように大臣たちに命じました。
こうした中で、病院の衛生状況を改善したところ、収容された兵士の死亡率が劇的に低くなったことから、彼女の功績がどれほどのものであったのかは良くわかります。
傷病者に対する献身的な看護と、夜間の見回り。彼女が当時行った行為は、今まさに現代の看護の現場において当たり前に行われていることです。まさに彼女は、現代看護の礎と読んでも過言ではありません。
看護師になる人は必ず覚えていなければならないというナイチンゲール誓詞は、実は彼女自身が作ったものではありません。後代になって、アメリカの看護学校の人たちがヒポクラテスの誓いにならって、看護師が必ず守らなければならないことを誓詞として作ったのです。
戦時下に現地の兵舎病院において、敵味方の区別もなく傷病者の看護にあたったナイチンゲールに敬意をこめてその名がつけられたのです。
現在では多くの看護学校で卒業式に卒業生全員で斉唱されるようになったナイチンゲール誓詞。これは、これから看護師となる人たちだけでなく、今現在現役で働いている看護師や、復職を考えている潜在看護師たちにとっても重要なことが書き記されています。
それはまさに、看護のもっとも重要なことを、最も簡潔に書き記したものであり、より良い看護を実践する上で、忘れてはならない事を再認識させてもらえる大切なものなのです。

下記サイトにはナイチンゲールの名言が取り上げられています。いかにナイチンゲールが真摯に看護を行っていたかがわかります。
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